ロールモデルがいない職場で、どうキャリアを築くか

職場で自分の目標となるロールモデルが見つからず、不安を感じた経験はありませんか?

特に新卒や転職直後、あるいは管理職を目指す女性などにとって、同じ立場で参考にできる人物がいない状況は、とても心細く感じられるものです。しかし、ロールモデルがいないことは、決してマイナスではありません。むしろ自分自身の価値観に沿ってキャリアを築くチャンスと捉えることができます。

ロールモデル不在は「自由な設計図」を手にすること

ロールモデルとは、「こんなふうに働きたい」「この人のように成長したい」と感じられる人物像のことです。存在することで、進む方向が明確になり、不安が軽減される効果があります。しかし同時に、その人物のスタイルや価値観に影響されすぎてしまい、自分本来の思いや特性を置き去りにしてしまうこともあるのです。
ロールモデルがいないという状況は、一見孤独に感じられるかもしれませんが、実は「誰かの真似をする必要がない」という自由を持っている状態でもあります。自分のペースで、自分らしいキャリアの形を模索できる。そこには、大きな可能性が広がっています。

社外のつながりが「見えないロールモデル」になる

とはいえ、すべてを一人で考えるのは難しいものです。そんなときは、職場の外に目を向けてみてください。SNSや業界メディア、ポッドキャスト、オンラインイベントなどを通じて、さまざまなキャリア観に触れることができます。自分と似た価値観やバックグラウンドを持つ人の発信は、大きな励みになります。
たとえば、育児と仕事を両立する女性のライフスタイル、地方からリモートで働くエンジニアの体験談、異業種から転職してきた人の学びなど、身近にいなくても「私もこうなりたい」と感じられる“見えないロールモデル”が見つかることもあります。

自分の性格と価値観を軸にキャリアを描く

キャリアを築く上で重要なのは、周囲の期待や一般的なモデルに振り回されるのではなく、自分自身の性格や価値観に基づいた判断を大切にすることです。たとえば、内向的で一人でじっくり取り組むのが得意な方であれば、深く掘り下げる専門職や分析業務が向いているかもしれません。反対に、人とのやりとりが得意な方であれば、チームリーダーや顧客対応など、対話を通じて成果を出す仕事に魅力を感じるでしょう。
「あの人のプレゼン力」「この人の資料の構成力」など、特定のスキル単位で部分的に学び取る視点も有効です。完璧なロールモデルがいなくても、小さな「良いところ」を集めて、自分だけのスタイルを築くことができるようになるでしょう。

「誰かになる」のではなく、「自分を育てる」意識を持つ

私たちはつい、「何者かにならなければ」と焦りがちです。しかし大切なのは、他人のキャリアをなぞることではなく、自分自身の目標や価値観を見つめ、それに向かって少しずつ成長していく姿勢です。成功の形は人それぞれ。たとえ目の前に明確なモデルがいなくても、あなたのキャリアにはあなただけの正解があります。
自分の想いを言葉にし、小さな成功体験を積み重ねること。そして時には立ち止まりながら、自分の道を振り返ること。そうして築かれたキャリアは、やがて他の誰かにとってのロールモデルになる可能性もあるのではないでしょうか。

「誰かになる」のではなく「自分を育てる」

ロールモデルがいないという状況は、孤独に感じられる一方で、自分の信念や価値観を強く育てる土壌でもあります。どんな環境にいても、自分自身の「なりたい姿」を明確に持つことが、ブレないキャリアを支える鍵になります。他者の後ろを歩くのではなく、自らの道を切り拓くこと。それは簡単ではありませんが、長い目で見れば、唯一無二の強みとなるでしょう。

カテゴリ
ビジネス・キャリア

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