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仕事を通じて感じた「楽しさ」を社員にも継承したい 40歳のパート女性が、業界初の女性社長になるまで (株式会社エコプロコート代表取締役長尾まゆみさん)

株式会社エコテックは、UVフロアコーティングという技術を用い、一般住居や商業施設、保育園向けに事業を展開している業界トップクラスの企業です。2025年2月に、グループ会社であるエコプロコート株式会社の代表取締役に就任した長尾まゆみさん。これまでのあゆみとこれからの挑戦についてお話を伺いました。

長尾さんは「仕事・会社の『楽しさ』をエコテック前社長の星山崇行さんに教えてもらったので、自分のたどってきた道を社員に継承していきたい」と話します。

 

インテリアコーディネーターを目指してエコテックに入社

長尾さんは、40歳のときパート社員として入社し、2年後、正社員に。法人営業部部長を経て、代表取締役に就任しました。

「出産を機に仕事を辞めてから、12年間は育児に専念していました。子どもの手が離れてきた頃、新聞の折り込みチラシに仕事をしながらインテリアコーディネーターの資格を取得出来ますと記載してあったエコテックの求人を見つけて応募しました。」

長尾さんは、専業主婦の期間にフラワーアレンジメントの講師資格を取得して講師を務めるなど、インテリアや内装などにも興味があったので、「第二の人生は、インテリアコーディネーターとして生きていきたいと思い入社したのですが、気がついたらエコテックでフロアコーティングの仕事をしていました」と笑います。

インテリアコーディネーターを夢見て入社した3日目に、当時のエコプロコートの社長にマンションのインテリア販売会に誘われ、その道中で「こう質問されたら、どうやって説明すればいいですか?」などと質問をしながら学ぶうちに、フロアコーティングの仕事にも興味を持つようになりました。

 

「愛犬の床」の素晴らしさを全国の愛犬家に伝えたいと思い、営業に転身

総務・経理のパートとして働いていた長尾さんに転機が訪れたのは、入社4年後の2011年。

きっかけは、エコプロコートの新商品「愛犬の床」でした。当時ペットブームが到来し、小型犬を室内で飼うことが流行しました。それまで犬は外飼いをすることが常識だったので、「床が汚れてしまう」「犬が滑ってけがをしてしまう」といった声がお客さまからあがってきていました。

そこで開発されたのが「愛犬の床」です。室内犬と共存することで起きるフローリングのお悩みを解決することが出来るのか、当時ミニチュアダックスを飼っていた長尾さんの自宅で施工してみました。

愛犬の走っている様子を見て、仕上がりを確認した長尾さんは「愛犬の床」に感動し「この製品はいい。全国に広めたい。愛犬家のみなさんは全員『愛犬の床』を施工した方がよい」と確信しました。「これを広めるのは自分しかいない」と思った長尾さんは、当時の社長であった星山さんに「私に営業をやらせて下さい」と懇願。星山さんが「長尾さんが泣きながら訴えてきた」と振り返るその熱意が実り、パート勤務から正社員になり「愛犬の床」の営業責任者として働くことになりました。

 

手探りの営業から、年間1500件の受注まで成長

ほとんどの人が知らない状態から始めた「愛犬の床」の営業は、とても大変だったと長尾さんは振り返ります。

「ホームページもない、資料もない、本当にゼロからのスタートでした。でも、いいものを人に伝えたいという思いは人一倍強かった」

苦戦する営業の転機は、株式会社ベネッセコーポレーションが発刊する雑誌「いぬのきもち」の担当者の目にとまったことだといいます。

「『いぬのきもち』の担当者が愛犬家で、わざわざ弊社のオフィスまで訪ねてきてくれたのですが、初対面にもかかわらず2時間も熱くお話をさせてもらいました」

担当者と意気投合した長尾さんは、破格の条件で「いぬのきもち」に「愛犬の床」の広告を載せることができました。「愛犬家の皆様の目に止まって認知してもらえる」と長尾さんはとてもうれしかったそうです。

「営業が一人体制でのスタートだったため、法人・個人問わず、どうしたら多くの人に『愛犬の床』の素晴らしさを伝えられるか、奔走していました。常に営業のことを考えていたので、電車の中でも、海外旅行中でも、営業のことが頭から離れませんでした」

しかし、そこまでの熱量で仕事に取り組めたのは、「犬が好きだったから」だといいます。「イベントに参加して『愛犬の床』を愛犬家の方々に紹介し、施工後にワンちゃんの写真と一緒に喜びの声を送っていただくと、とても嬉しく充実感がありました」

営業開始当初は1人で50件くらいだった受注が、「愛犬の床」の製品化から14年が経ち、販売体制が整った今では年間1500件ほどの受注が来るようになりました。

これからも、ひとりでも多くの愛犬家の皆様に「愛犬の床」を施工していただけるよう、お客さまのニーズに応えた製品をお届けし、満足度を高めていきたいと長尾さんは話します。

法人営業を担当することで得た人脈を大切に

長尾さんは「愛犬の床」の営業を経て、入社8年目に大手ハウスメーカーやマンションデベロッパーなどの新規開拓を行う法人営業部に異動となります。

法人営業のやりがいは、取引先の営業担当者様と信頼関係を構築することだと長尾さんは強調します。

「コーティング施工後に「やってよかった」というお客様の声を聞くと、取引先の営業担当者様も喜んでくれて、さらに他のお客様にコーティングを薦めていただけます」

新規取引先での受注が増えて、初めて目標達成が出来た時はとてもうれしかったと長尾さんはいいます。

「取引先のイベントに参加したり、ゴルフコンペを行ったり、フロアコーティングを通して知り合った方々と仕事以外のコミュニケーションを図る事が出来たことで、さらに仕事の幅が広がり法人営業が楽しくなっていきました」

仕事を通じて知り合った方々とは、担当が変わった今でも情報交換や近況報告で集まったり、一緒に遊びに行ったりしています。
「ずっと大切にしたい仲間と出会えてたことも法人営業の醍醐味のひとつでしたね」と長尾さんは話します。

 
「仕事は楽しく」先代から受け継いだ思いを次世代に

「愛犬の床」や積水ハウス様との取引実績が評価され、入社11年で法人部営業部部長に抜擢され、入社19年目にエコプロコートの社長に就任した長尾さんは、仕事をする「楽しさ」が大切であることを、社員に伝えたいといいます。

「星山会長から『仕事の楽しさ』『会社の楽しさ』を教えてもらいました。社長として会社の発展はもちろんですが、社員が仕事を通して幸せを感じる瞬間を何度も味わう事が出来るよう、私がこれまで関わった中で得た喜びを、会社や仕事にとどまらず伝えていきたい。それが、私に課されたミッションです。社員がみんな『この会社で働けて良かった』と思える会社にしたいです」。

長尾さんは「楽しさ」の中に「お客さまからの声」があり、それが「仕事の励み」になるといいます。

「お客さまの声を直接聞けることは、大きな励みになりとてもうれしい瞬間です。エコプロコートはお客様の声を大切にし、日々のくらしに安心をお届けする頼れるコンシェルジュとして、フロアコーティング事業に限らず、ライフサイクルの中で発生するお客さまのニーズに応え、ご満足いただけるサービスをご提供できるよう努めてまいります」

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