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若手社会人に必要な「生活防衛資金」とは:安心して暮らすための第一歩

春は新しいスーツに身を包み、初めて社会に一歩を踏み出す季節です。新社会人としての生活が始まり、仕事や人間関係、暮らしの変化など、目まぐるしい日々を送っている方も多いのではないでしょうか。そんな中で、見落としがちだけれど実は非常に大切なテーマが「お金の備え」です。
とりわけ、生活を守るための最低限の資金である「生活防衛資金」は、これからの人生を安心して歩むための土台となります。

 

「生活防衛資金」ってどんなお金?

生活防衛資金とは、失業や病気、ケガ、家族の事情など、思いがけない事態により収入が一時的に途絶えたときに備えるためのお金のことです。これは「急なトラブルが起きても生活を続けるための資金」であり、保険や公的制度とは別に、自分自身で準備しておくべきものです。
生活防衛資金があれば、職場をやむを得ず辞める場合や、転職活動に時間がかかる場合でも、焦らずに行動できます。また、大きな病気やケガで一時的に働けなくなったときも、家賃や生活費を心配せずに過ごせるため、精神的なゆとりを保つことができます。

 

どれくらい必要?現実的な金額を知ろう

生活防衛資金として推奨されているのは、一般的に「生活費の3〜6か月分」です。たとえば、一人暮らしで毎月の生活費が15万円だとすると、最低でも45万円、より安心を求めるなら90万円を目指すことになります。
ここで、実際の生活費の内訳を見てみましょう。東京など都市部で一人暮らしをしている20代前半の平均的な支出は以下のようなものです。

  • 家賃:6万〜7万円

  • 食費:2万〜3万円

  • 水道光熱費:1万円前後

  • 通信費(スマホ・インターネット):8,000〜1万円

  • 日用品・交通費・交際費など:3万円前後

これらを合計すると、おおよそ13万円から15万円程度になります。つまり、3か月分の生活防衛資金は40万〜45万円、6か月分で80万〜90万円がひとつの目安です。

 

なぜ新社会人にこそ必要なのか?

新社会人は、これから初めての給料を受け取る立場であり、貯蓄がまだ十分にない状態から社会生活を始める人が多いです。そのため、収入が途絶えたときに生活を維持する力が弱く、少しのトラブルが大きな不安につながりかねません。
また、新生活には予想以上の出費が発生します。引っ越しや家具・家電の購入にかかる費用、職場での交際費、ビジネス用の服装代など、一度きりではない“必要経費”が多くあるのが現実です。こうした出費をクレジットカードのリボ払いやカードローンでまかなうと、金利がかさみ、返済負担が生活を圧迫してしまいます。
その点、生活防衛資金があれば、収入が一時的に途絶えても、焦ってお金を借りたり、望まない職場に急いで転職する必要がなくなります。将来に向けて安心感のあるスタートが切れるでしょう。

 

少しずつ、着実に。生活防衛資金のつくり方

「いきなり何十万円も貯めるなんて無理」と感じる方も多いでしょう。しかし、生活防衛資金は一度に貯める必要はありません。むしろ、大切なのは“継続すること”です。

たとえば、毎月2万円ずつ積み立てれば、1年間で24万円、2年間で48万円になります。ボーナスが出たときに5万円ほどを加えることで、より早く目標に近づけます。月2万円は厳しいという場合でも、1万円ずつでも良いのです。半年で6万円、一年で12万円と、着実に積み上がっていきます。また、給与からの「先取り貯蓄」が効果的です。毎月の給料が振り込まれた瞬間に、自動的に別口座にお金が移されるよう設定しておけば、手元にある金額を「使えるお金」として意識しやすくなり、無理なく貯蓄が進みます。
家計簿アプリを使って日々の支出を“見える化”するのもおすすめです。特に、サブスクリプションやコンビニでのちょっとした買い物など、積み重なると大きな出費になる項目を把握することで、節約のヒントが得られます。

 

未来を守るお金の準備を、今日からはじめよう

生活防衛資金は、ただのお金の“貯金”ではなく、将来の不安から自分を守るための“安心の盾”です。心に余裕を持ち、健やかな新生活を送るためにも、早いうちから意識して備えておくことが大切です。
すぐに大金を用意する必要はありません。大切なのは、「備えよう」という意識と、一歩ずつ積み重ねていく習慣です。1年後、2年後の自分が、「あのとき準備しておいてよかった」と思える日がきっと来ます。
今日の1,000円の節約が、明日の安心につながる。そんな未来をつくるために、今から少しずつ始めてみませんか?

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