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初めての保険、どう選ぶ?社会人が最初に悩むお金の話

社会人としての新生活が始まると、自由と責任が一気に押し寄せてきます。初めての給料に喜びながらも、家賃や生活費、クレジットカードの支払いなど、日々の出費に頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。そんな中で見落とされがちなのが「保険」の存在です。しかし実際には、保険は人生のさまざまなリスクに備えるための重要な手段であり、新たな社会生活を支える柱のひとつといえるでしょう。
特にひとり暮らしを始めたばかりの新社会人にとっては、万が一の事態に備える準備ができていないケースが多く見受けられます。病気や事故、自然災害など、予測不能なトラブルに直面したとき、保険に入っているかどうかが生活の安定に大きな差を生み出します。

社会人にとって保険が必要な理由とは

保険とは、生活の中で起こりうる不測の事態に備えるための仕組みです。たとえば突然の病気で入院した場合、医療費だけでなく、仕事を休むことによる収入減少も大きな問題となります。まだ十分な貯蓄がない社会人にとって、こうした状況は家計を直撃する深刻なリスクです。保険に加入しておけば、医療費や生活費の一部を保障してもらえるため、金銭的な不安を軽減することができます。
また、火災や自然災害などで住まいに被害が出た場合にも、保険によって修繕費や家財の補償を受けられるケースがあります。こうした保険の機能は、自立して生活を始めた社会人にとってまさに「お守り」と言える存在です。

保険を選ぶ前に考えるべきこと

初めて保険に加入するときに重要なのは、やみくもに高額なプランに入ることではなく、自分の生活スタイルに合った内容を選ぶことです。たとえば、若く健康なうちは、重病のリスクは比較的低いため、高額な終身保険やがん保険よりも、入院や通院時に必要最低限の支援が受けられる医療保険を選ぶ方が現実的です。月々の保険料が抑えられ、家計への負担も小さく済みます。また、自分の勤務先が提供している福利厚生にも注目しましょう。企業によっては、団体保険や手厚い健康保険制度が整っていることもあり、内容が重複してしまうと、せっかくの保険料が無駄になってしまいます。まずは会社の制度をよく確認し、不足分を民間の保険で補うという考え方が賢明です。

保険に加入するもう一つの大きなメリットとして、「税制控除」があります。たとえば、生命保険料控除や地震保険料控除を利用すれば、所得税や住民税が軽減される可能性があります。年間8万円の保険料を支払った場合、最大で4万円が控除の対象となり、数千円から数万円の節税につながることもあるため、年末調整や確定申告での申請を忘れないようにしましょう。

初心者におすすめの保険とは?

はじめて保険を検討する方には、医療保険がもっとも導入しやすい選択肢です。入院1日あたり5,000円や10,000円の給付金が受け取れるシンプルなタイプが多く、月々1,000〜3,000円前後で加入できます。また、就業不能時に給料の一部を補償する「所得補償保険」も、若年層には安心材料となります。もし、ひとり暮らしをしている場合には、火災保険や家財保険も必須といえるでしょう。部屋そのものは大家の保険で守られていても、自分の家具や家電製品には保険がかかっていないことが多く、万が一の火災や水漏れ、盗難などに備える必要があります。
自転車通勤や移動が多い方には、個人賠償責任保険の検討もおすすめです。自転車事故で相手にけがをさせた場合、数百万円から数千万円の損害賠償を請求される可能性があり、年間数千円程度の保険料でそのリスクをカバーできます。

保険料は生活の中でどう位置づけるか

保険は「将来の安心のための支出」ですが、今の生活を苦しくしてしまっては本末転倒です。無理のない支払い計画が前提となるため、保険料の目安としては、月収の3〜5%以内に収めるのが一般的です。たとえば月収が20万円なら、6,000〜10,000円ほどが目安となります。家計簿アプリを使って、家賃や食費、通信費、クレジットカードの引き落としなどと照らし合わせながら、毎月の予算にどの程度の余裕があるのかを把握し、そこから逆算して保険の内容を調整すると良いでしょう。

まとめ:保険は未来の自分への“安心投資”

保険という言葉に触れたとき、多くの人は「まだ早い」と思ってしまいがちです。しかし、社会人になったばかりの時期こそ、生活基盤が不安定であり、万が一への備えが必要なときでもあります。大切なのは、将来の不安を過剰に恐れることではなく、具体的なリスクに対して適切な備えをしておくことです。

保険は、誰かに言われて仕方なく入るものではなく、自分の人生を主体的に守るための選択です。無理のない範囲で、自分に合った内容から少しずつ備えを始めていくことが、これからの生活に安心感をもたらしてくれるはずです。そして、ライフステージの変化に合わせて、見直しや乗り換えを行いながら、保険との付き合い方を進化させていくことができれば、より豊かで安定した人生を築くことができるでしょう。

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