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保険の途中解約は本当に損?返戻金の仕組みから判断する方法

長く支払い続けてきた生命保険を「このまま続けるべきか」「解約したほうが良いのか」と迷う場面は、家計を見直す時に誰もが一度は経験するものです。特に保険の途中解約では、受け取れる解約返戻金が気になり、損をしてしまうのではないかと不安を抱く人も多いでしょう。
返戻率の推移には、契約時の年齢や積立期間だけではなく、金利や予定利率の変動といった金融環境も影響します。2023〜2025年にかけては、国内外の金利差や為替の変動が続き、保険会社が設定する予定利率も調整されました。こうした外部要因が返戻金の額に影響を与えることもあり、判断を難しくしてしまいます。家計の状況や将来必要となる保障を丁寧に整理しながら、途中解約に踏み切るべきかどうかを冷静に見極めることが求められます。

 

解約返戻金の仕組みと返戻率が伸びにくい背景

解約返戻金は、支払った保険料のうち積立部分が運用されて戻ってくる金額です。契約してすぐの時期は返戻率が低く、加入1〜3年ほどの返戻率が40〜60%にとどまる商品が多いといわれています。これは保険会社が契約時の管理費や販売費などを初期に多く計上するためで、契約初期は元本割れしやすい構造になっています。

返戻率が上がり始めるのは、支払い期間が進み、積立部分が安定して運用されるようになる頃です。10年を超えるあたりで返戻率が90%近くに達し、その後100〜120%へ伸びる商品もあります。ただし、この増え方は経済環境の影響を受けます。日本では長期にわたって低金利が続き、予定利率も1990年代の高金利期と比べて大きく低下しました。そのため、低金利期に契約した場合は返戻率が上がりにくい傾向があります。

こうした金融背景は契約者自身ではコントロールできないため、返戻金を確認する際には、契約時期と予定利率がどの程度だったかも参考になります。

 
家計への影響と途中解約を見極める視点

途中解約が損になるかどうかは、返戻率と家計の状況の両方を重ねて考える必要があります。積立型保険は返戻率が改善するタイミングが明確で、一定期間を過ぎれば受け取れる金額が大きく変わります。返戻率がすでに高い段階に入っている場合は、解約せずに数年継続することで受取額が大きく増える可能性もあります。一方、返戻率が低い段階での解約は損失が目立ちやすく、特に加入1〜5年程度では元本割れが避けられないケースが一般的です。

家計の状態も重要です。貯蓄額が少なく、日常生活の支払いが苦しい状況では、返戻金を受け取りつつ生活基盤を整える選択が合理的になる場合があります。金融庁の調査では、家計の金融資産の中央値は400万円前後とされ、余裕がない世帯も少なくありません。保険料の支払いが長期的な負担になっている場合、いったん解約して家計を立て直すことは悪い選択ではありません。

加えて、物価の上昇も判断を迷わせる要因になっています。総務省が公表する消費者物価指数は2021年以降上昇傾向が続き、お金の実質的な価値が変動する状況が続いています。返戻金の金額が同じでも、受け取る時期によって実質的な価値は変わるため、将来の運用方法をどうするかを含めて考える必要があります。

 

途中解約以外の選択肢と、賢い判断へつなげる方法

解約という選択だけが正解ではありません。「払い済み保険」や「減額」を利用すれば、元の保障内容を縮小しながら保険料の支払いを止めることができ、返戻率の損失を抑えることも可能です。これらの方法は途中解約と比べて元本割れの影響を小さくできる場合があるため、迷っている時には必ず確認しておきたい選択肢です。

外貨建て保険の場合は、受け取り時の為替レートによって受取額が変動します。円安時には受取額が増える一方、円高になると円換算額が減ることがあります。加入時だけでなく、受け取るタイミングでも為替の影響を受けるため、途中解約を検討する際は為替動向も視野に入れておくと判断しやすくなるでしょう。

解約を迷う場合、保険会社の担当者以外の第三者に相談することもおすすめです。ファイナンシャルプランナーであれば、返戻率の推移・家計の収支・保障内容・将来の必要保障額といった複数の視点から、生活に合った判断を整理してくれます。保険は長期契約であるため、冷静に比較しながら無理のない形で続けられる方法を探すことが大切です。

 

まとめ

途中解約は損になる可能性があるものの、返戻率の構造や金融環境を理解すると、状況によっては合理的な選択になる場合もあり、家計の現状や今後必要となる保障、返戻金を受け取った後の使い方まで含めて検討することで、自分に合った判断が見つかりやすくなります。
保険は長い時間をかけて向き合うものだからこそ、目先の金額だけではなく生活全体のバランスを見て選択する姿勢が大切です。迷った際は、複数の方法を比べながら、家計に無理のない形で保険との関わり方を整えることが安心につながるでしょう。

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