ミレニアル世代に人気の投資商品とその理由
投資はかつて、富裕層や専門知識を持つ一部の人々の専売特許と考えられていました。しかし、1980年代から2000年代に初めて生まれたミレニアル世代は、デジタル技術と新しい価値観を背景に、投資市場の重要なプレイヤーとなっています。
ミレニアル世代が投資に関心を持つ背景
1. デジタル技術の進化と情報アクセスの容易さ
ミレニアル世代は、スマートフォンやインターネットの普及とともに育ったデジタルネイティブです。例えば、2023年のデータでは、日本の20~30代の約45%が最も1つの金融アプリを利用しており、そのうちの60%が投資アプリに登録しています。
2. 経済不安の経験と資産運用の必要性
ミレニアル世代は、リーマンショック(2008年)やコロナ禍(2020年)など、経済の不安定な状況を経験してきました。これにより、ただ貯蓄するだけでは資産を守れないという認識が広がり、投資を大切にしています。また、日本国内の低預金政策により、銀行口座の利息だけでは資産が増えないという現実も、投資への動機となっています。
3. 持続可能性と社会貢献を重視する価値観
ミレニアル世代は、環境保護や社会的というべきテーマに対して強い関心を持つ傾向があります。企業の社会的責任(CSR)やESG(環境・社会・ガバナンス)に関連した投資商品が特に高いサポートを得ています。
ミレニアル世代に支援される特定の投資商品
ロボによる運用アドバイザー
ロボアドバイザーは、AIを活用して個人のリスク許容度や目標に合わせた資産配分を自動で行うサービスです。日本国内では、ウェルスナビやTHEOが代表的な例で、2023年には両社で合わせて100万以上の口座が開設されています。初期投資額が数万円程度から始められる点や、金融知識が少ない人でも利用しやすい操作性が、特にミレニアル世代に支持されています。
ESG投資
ESG(環境・社会・ガバナンス)投資は、持続可能な社会の実現を目指す企業への投資です。この商品は、ミレニアル世代の「価値観に基づく投資」というニーズにマッチしています。日本のESG投資市場規模は約80兆円に達し、その成長の一端を担っているのはミレニアル世代です。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産、特にビットコインやイーサリアムといった仮想通貨は、ミレニアル世代の興味を引く投資商品のひとつです。国内の暗号資産市場は2023年において約15兆円規模とされ、若い世代の参入が増えています。その背景には、ブロックチェーン技術への期待があります。
投資におけるリスクと注意点
投資には大きなリターンが期待できる一方で、リスクも考慮します。 特にミレニアル世代が陥りやすい問題として以下が挙げられます。
短期的な利益に依存する危険性
ミレニアル世代の中には、当面で利益を得ようとするあまり、ハイリスクな暗号資産やレバレッジ取引に過剰に依存するケースも見られます。分散投資を行い、リスクをコントロールすることが重要です。
情報過多による判断の難しさ
インターネットには投資情報があふれていますが、そのすべてが正確であるとは限りません。SNSでの「儲かる話」に飛びついて失敗する例も多く報告されています。そのため、信頼できる金融機関や専門家のアドバイスを活用し、慎重な意思決定を行う必要があります。
インフレリスクと機会損失
投資を避けすぎることも、インフレによる資産価値の目減りにつながります。少額から積立投資を、徐々にリスク許容度を高めて始めることで、長期的な資産形成が可能になります。
ミレニアル世代への投資アドバイス
ミレニアル世代にとって、投資は単純にお金を増やす手段ではなく、自分の価値観を実現する方法でもあります。理解した上でポートフォリオを分散させることが重要です。また、定期的に投資計画を見直し、時代の変化や自分の目標に合わせて調整していくことも大切です。
これから投資を始める方は、自分の価値観やライフステージに合わせた投資方法を選び、計画的に資産を増やしていくことを目指しましょう。
- カテゴリ
- マネー