省エネルギー法改正で変わる住宅基準のポイント

2025年に予定されている省エネルギー法改正は、私たちの「住まいの選択」に大きな変化を考えられています。これまで努力義務に耐えてた省エネ基準が、新築住宅すべてに適用されるようになることで、住宅の建築や購入、さらには賃貸・売却といった不動産取引にも影響があります。

改正の背景:なぜ今、省エネルギー法が見直されるのか

日本は2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、あらゆる分野でエネルギー効率の向上を進めています。住宅部門も例外ではなく、国内の最終エネルギー消費の約15%が家庭部門によるものです。そのため、住宅の省エネ性能を底上げすることが重要な課題となっており、今回の改定はその具体的な一歩を踏み出しています。

改正の主なポイント:住宅基準はどう変わる?

今回の改正では、これまで努力と義務されていた新築住宅への省エネ基準の適合が、2025年からの義務化なりますこれにより、すべての新築戸建住宅や集合住宅に対して、一定の断熱性能やエネルギー消費量の基準を満たす設計が求められるようになります。東京に建てる住宅であれば、外皮平均熱貫流率(UA値)を0.87以下に抑える必要があり、これを実現するためには断熱材や窓ガラスの性能向上が必要になります。また、給湯器や照明などの設備もエネルギー効率の高いものが推奨されるようになります。
さらに、住宅に関しても、省エネ性能の「見える化」が進められる予定です。 不動産の売買や賃貸の際、省エネ性能が数値として表示されるようになり、購入者や借主が光熱費の目安を考慮して判断しやすくなる仕組みが整えられています。

住宅の資産価値にどのような影響があるのか​​?

見直しによって住宅の「性能」が常識的な価値となるため、今後の不動産市場では省エネ性能の高い住宅の資産価値が上昇しています。実際に、ヨーロッパではエネルギー証明書(EPC)をもとに不動産価格が決まる例も多く、日本でも同様の傾向が強まるでしょう。また、売却時に「省エネ基準適合住宅」として認定されている物件は、購入希望者に安心感を与えるだけでなく、金融機関による住宅ローンの検討対象になる可能性もあります。

賃貸住宅にも広がる「省エネ志向」

省エネ基準の表示義務が広がることで、賃貸市場変化が訪れています。光熱費が減る一方、エネルギー効率の良い物件を選ぶにも居住者が増えており、ある不動産サイトポータルのデータでは、「省エネ設備あり」と記載された物件の閲覧数が、記載のない物件に比べて約1.4倍に増加していることがわかっています。
オーナー側にとっても、省エネ性能をアピールすることで物件の競争力を高めることができ、空室対策にもつながり、 結果として長期的に安定した賃貸経営が実現しやすくなります。

住まい選びにおける「省エネ性能」という新しい視点

これから住宅を建てる方や購入を検討している方にとって、省エネ性能は欠かせないチェックポイントとなります。 例えば、年間の光熱費が10万円安い住宅に30年間住み続けた場合、金額で300万円の節約につながります。 この金額は、住宅の維持費や教育費、老後の備えにも回せる大きな金額です。
また、省エネ性能の高い住宅は災害時にも力を発揮します。 断熱性が高くても、たとえ室温が安定しやすく、冬場寒いという夏の季節の暑さから身を守ることができます。

まとめ:住宅基準の変化をチャンスに変えるために

これまで「見えにくかった性能」が明確に数値化され、不動産市場でも重要な判断材料として扱われるようになることで、住まいの在り方がより質重視で移行していきます。不動産としての価値を高めたい方、快適で経済的な暮らしを将来手に入れたい方のために、今だからこそ「省エネ性能」という視点から住宅を選ぶことが、最も有効な資産活用への一歩になるのではないでしょうか。

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