赤ちゃんの頭皮はなぜ敏感?優しく守るケア方法

赤ちゃんの頭にそっと触れたとき、そのふんわりとした柔らかさに癒やされる方は多いでしょう。けれども、その繊細な頭皮にフケのようなかさぶたができていたり、赤くなっていたりすると、不安を感じることもあるかもしれません。「このままで大丈夫?」「病院に行ったほうがいいのかな?」と悩む保護者の声もよく聞かれます。
赤ちゃんの頭皮は、大人とはまったく違う特徴を持っており、特に新生児期〜乳児期には湿疹や乾燥といった皮膚トラブルが起こりやすいのが現実です。でも、必要以上に心配しなくても大丈夫。ちょっとした知識と日々のやさしいケアで、健やかな頭皮を保つことができます。

 

なぜ赤ちゃんの頭皮は敏感なのか

赤ちゃんの皮膚は、大人のおよそ半分の厚みしかなく、角質層もまだ未熟です。そのため、外部からの刺激や乾燥に弱く、皮膚トラブルが起きやすい状態にあります。特に頭皮は、髪の毛が生え始める部位であると同時に、皮脂腺が活発に働く場所でもあるため、脂漏(しろう)や乾燥といった両極端なトラブルが起こりやすくなります。
生後1〜3か月ごろには、「乳児脂漏性湿疹」と呼ばれる症状がよく見られます。これはホルモンの影響によって皮脂の分泌が一時的に活発になるために起きるもので、黄色いかさぶたや赤みが頭皮に出ることがあります。見た目は驚かれるかもしれませんが、成長とともに落ち着いていく場合が多いです。
季節の変わり目や乾燥が進む冬場には、頭皮がかさつき、かゆみを引き起こすこともあります。赤ちゃんはまだ言葉で不快を伝えられないため、かゆくて頭をこすりつけたり、泣いたりする行動でしか示すことができません。こうしたサインを見逃さずに、やさしくケアしてあげることが大切です。

 

毎日のケアで頭皮トラブルを防ぐ

頭皮トラブルを防ぐためには、赤ちゃんの肌に合った丁寧なケアを毎日続けていくことが何よりも大切です。特に入浴時の洗い方や、入浴後の保湿ケアには注意を払いましょう。

シャンプーはベビー用の低刺激タイプを選ぶようにしてください。無香料・無着色で、泡で出るタイプだと使いやすく、洗浄力もやさしめです。手のひらで泡を広げ、指の腹でやさしく頭皮をなでるように洗うと、摩擦を減らして汚れをしっかり落とせます。すすぎは十分に行うことが重要です。泡が残ってしまうと、かゆみや湿疹の原因になることがあります。後頭部や耳の後ろなど、見落としがちな部分も丁寧に流してあげましょう。

お風呂あがりには、頭皮の状態を確認して乾燥しているようなら保湿を取り入れるのが効果的です。赤ちゃん用の保湿ローションやオイルを少量、手のひらで温めてから、やさしく塗り広げてください。また、赤ちゃんは汗っかきです。夏場や寝ている間にたくさん汗をかくと、頭皮に汚れがたまりやすくなります。お風呂だけでなく、日中もガーゼや濡らしたタオルで軽く拭いてあげると、清潔を保つのに役立ちます。

 

医師に相談すべき症状とは

日常のケアだけでは改善しない場合や、頭皮に強い赤みやただれ、膿のような分泌物が見られるときは、医療機関を受診することをおすすめします。以下のようなサインがあるときは、早めに小児科や皮膚科に相談しましょう。

  • 頭皮の赤みが広がっている

  • フケのようなものが大量に出る

  • かゆみが強く、赤ちゃんがしきりに頭をこすっている

  • 発疹が一週間以上続いている

  • 発熱や全身の湿疹を伴っている

医師の診断を受けることで、適切な治療薬やスキンケアのアドバイスを受けることができ、安心して育児に取り組むことができます。

 

成長に合わせてケア方法も変えていく

赤ちゃんの頭皮環境は、月齢によって変化していきます。新生児期は皮脂が多く、脂漏性のトラブルが起こりやすいのですが、生後6か月を過ぎる頃には逆に乾燥しやすくなってきます。そのため、洗浄を重視するケアから、保湿を意識したケアへとシフトしていくことがポイントです。

また、1歳を迎えるころには、髪の毛が増えたり、運動量が増えることで汗をかく頻度も上がります。この時期からは、シャンプーのすすぎをしっかり行うことや、寝具を清潔に保つことなど、周囲の環境にも気を配ることが大切になります。
赤ちゃん一人ひとりに個性があるように、頭皮の状態もそれぞれ違います。毎日のふれあいの中で頭皮の様子を観察し、赤ちゃんにとって心地よいケアを見つけていくことが、何よりのスキンシップにもつながります。

 

まとめ

赤ちゃんの頭皮は、想像以上に繊細でデリケートです。けれど、毎日のちょっとしたケアで健やかに保つことができます。やさしい洗い方や保湿の工夫、赤ちゃんの変化に気づくまなざしが、赤ちゃんにとって安心できる環境づくりにつながっていきます。
何か気になるサインがあれば、早めに医師へ相談することで、大きなトラブルを未然に防ぐこともできます。赤ちゃんの「健やかな頭」を守るために、日々のケアを大切にしていきましょう。

カテゴリ
健康・病気・怪我

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