ダンディ感あふれる地元フレンチの名店 そのオーナーはやはりただ者ではなかった!【千葉県我孫子市】

ローカリティ!

千葉県我孫子市にある「BRESSERIE Le Poireau(ポワロー)」は、かしこまらずに利用できるフレンチの名店。その内観と料理、給仕するスタッフのもてなしは、ダンディ感が半端なくずっと気になっていた。今回そのオーナーに取材を申し込み、ついにその全貌(ぜんぼう)が明らかとなった。自分の目に狂いはなかった!そのオーナーはただ者ではない!そしてこの度新たに判明した衝撃の事実とは!?

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ダンディ感半端なし!でも気軽に入れる地元フレンチの名店「ポワロー」

千葉県我孫子市にあるフレンチの名店「BRESSERIE Le Poireau(ポワロー)」。通常フレンチレストランというと、高級店で価格も高く敷居が高いイメージがあるが、このレストランは誰でも気軽にそして気取らずに利用でき、リーズナブルな価格で本格フレンチを味わえる店として地元の名店となっている。

店内のテーブルにはクロスがなく、味のある木製のテーブルに直接料理は提供される。街から少し離れたフランスの田舎にある粋なレストランといったその雰囲気。ワイン棚にはびっしりとワインが並べられており、その重厚感がたまらない。

メニューを手渡してくれるギャルソン(英語ではウェイター)は、ダンディな蝶ネクタイがきまっているロマンスグレーの紳士。料理の説明も客への対応もスマートにこなす。店内の全てに統一感とこだわりが感じられる。

運ばれてきた料理は、写真のようなクラシカルな正統派フレンチ。白い無地のお皿に書かれた「Le Poireau」の文字が、どこかノスタルジックな感じをかもし出している。

以前訪問したときからずっと気になっていた。一体どういう人がこのレストランのオーナーなのだろう?

今回思い切って取材を申し込んでみた。

 

このレストランのオーナーはあの蝶ネクタイの紳士。なんとかつてはあの超一流ホテルのギャルソンだった!

このレストランのオーナーは、給仕をしてくれたあの蝶ネクタイの紳士、そのお名前は金沢さん。この度取材を快く承諾してくれた。

話を伺うと、やはりこの方はすごい方だということが判明した。なんと、1980年代に青山で複数の飲食店を経営していた方だったのだ。そしてさらに経営者となる前に働いていたのは、帝国ホテル東京、ホテルニューオータニと並び、日本のホテルの御三家に挙げられるあの「ホテルオークラ」だった!

 

独立後青山にレストランを出店。「ポワロー」の誕生はそのとき

金沢さんの世代は、日本の第一次ベビーブームである「団塊の世代」のど真ん中。同世代の人口はとても多く、ある意味戦後の日本の数々の潮流を作ってきた世代ともいえる。

「ホテルオークラ」時代からギャルソンの仕事を続けてきたその道のプロフェッショナル、金沢さん。「ホテルオークラ」時代の同期には、のちにオークラの社長になった方もいた。また同僚には日本のソムリエコンクールで優勝した人もいたそうだ。そのような多才な人材がいる環境で日々切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた。

独立後に青山で経営を始めたのがフレンチレストランの「ポワロー」。そのコンセプトは「通常の一人分の価格で、女の子を誘ってカップルで気軽に行けるフレンチの店」。当時はフレンチというと、まだ格式張った店しかなかった頃。フレンチをもっと多くの人に、そしてもっと身近に、気軽に楽しんで欲しいとのおもいがあった。

お店の名前「ポワロー(Poireau)」とは、フランスではさまざまな料理に使われる「西洋ネギ(英語ではLEEK)」のこと。加熱すると甘みが引き立ち、煮込みやスープ、グラタンなどによく利用され、マリネやサラダにも使われる欧州では非常にポピュラーな野菜である。縁の下の力持ちのイメージでこの名を採用した。

「ポワロー」はその後日本のバブル景気の頃にあったグルメブームにも乗り大成功。当時の人気雑誌「an・an」や「Hanako」、のちには「Tokyo Walker」などにも取り上げられ大人気店となった。

現在の千葉県我孫子市に店舗が移ったのは今から20年ほど前。バブル期に都心の住宅価格が暴騰したため、郊外の宅地化が一気に進み、その住宅が立ち並ぶ地域に店を構えることになる。そして「ポワロー」は昨年この地で創業40周年を迎えた。

 

衝撃の事実が新たに判明!まもなくその役割を終える「ポワロー」

今回初めてお話を伺う中で一番衝撃だったのは、この名店「ポワロー」も今年の5月末にその長い役割を終え閉店することが決まっているということ。金沢さんもついに経営を退き一度会社を清算することに。その後は次の世代の方がこの場所で新しい店をオープンすることを予定している。どんな店になるのかは未定だが「きっと新しいスタイルになるのでは」と話す。

「フランス本国のフレンチのトレンドも、ヌーベル・キュイジーヌという新しい流れへと移り変わった。「ポワロー」はクラシックなフレンチを提供してきたが、時代の流れを考えても、今後はよりライトで健康志向も考慮した新しいスタイルになるのではないかな」

「もうこれで経営からは退くつもりだけれど、お店は始める前、そのコンセプトや、インテリア、メニューなど、あれこれ考えているときが一番楽しい。一旦始めてしまうとあとは忙しくてね」と金沢さん。

取材時最後のコメントでは「我々の商売はお客様からお金をいただいた上に、「ありがとう」とまで言っていただける。こんな商売他にはないでしょう」とほほえみながら話してくれた。

こうしていつかは去りゆくものがあり、また新しいものが生まれていく・・・。

5月末までまだ少し時間がある。
とても残念ですが、残された時間を楽しませていただこうと思います!これまで本当にありがとうございました。

 

情報

BRASSERIE Le Poireau(ポワロー)

住所:千葉県我孫子市湖北台1-13-18
駐車スペース:なし(近くにコインバーキングあり)
TEL:04-7187-6766
営業時間:11:30-14:30, 17:00-20:30 / 定休日:水曜日

情報提供元:ローカリティ!

愛智なおゆき
ローカリティ!は、地元に住む人々が、自分が大好きな地元の人やモノや出来事を、自分で世界に発信し、
その魅力を共に愛する仲間を募れる住民参加型・双方向の新しいニュースメディアを目指しています。
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[地域情報] 旅行・レジャー

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