“おいしい地方創生「カルピー」”― 農業高校が手掛ける限定数量の乳飲料とは【福島県いわき市】
例年冬の時期になると、福島県立磐城(いわき)農業高校の生徒たちが手がける乳飲料「カルピー」が、地元いわき市で購入できる。一般流通量が少なく、販売されるのは学校の実習販売や地元イベントのみ。まさに“ここでしか味わえない”限定品だ。瓶入り濃縮タイプの「カルピー」は、水やソーダ、お湯で割ることで多彩な味わいが楽しめる。その裏には、食品製造や流通を学ぶ高校生たちの挑戦がある。地域文化を未来へつなぐ特別な一杯の魅力に迫る。
磐城農業高校が生んだ“ここでしか味わえない”限定乳飲料「カルピー」
福島県立磐城農業高等学校が製造する乳飲料「カルピー」が、市内の特産品コーナーに並ぶ時期になった。「カルピー」は、同校の実習販売や地元のイベントでの販売が中心で、一般に流通する数量は少ない。しかも、仮にショップで見つけたとしても店頭に並んでいる分だけで販売は終了。学校の年間計画によっては次年度の製造販売がなくなる可能性もある希少な商品だ。
若き生産者たちが手がける乳飲料
この「カルピー」を製造している県立磐城農業高校の食品流通科では、生徒たちが食品の加工・製造、家畜の飼育などを学びながら、実践的な経験を積んでいる。
授業の一環で生まれた「カルピー」は瓶入りの濃縮乳飲料で、通常は水で割って楽しむがアレンジも豊富だ。ソーダで割れば爽やかな甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、まるでヨーグルト風味のラムネ菓子のような優しい味わいが楽しめる。一方で、お湯割りにすると、ふわりと立ちのぼる香りが心地よく、寒い季節には体の芯から温まる一杯へと変わる。
“ここにしかない”味と価値
同校が開催している実習販売「磐農(ばんのう)ストア」では、教育活動、実習の一環として、ジャムやマドレーヌなどの加工品、また、ピーマンやナスなどの生産野菜の販売を行っている。特に、学校があるいわき市内のイベントで限定販売されることが多いため「カルピー」を含め市外で入手することは難しく、通信販売もしていない。しかし、実際に飲んだ方からは「懐かしい味」「優しい酸味がクセになる」「おいしい」と好評の声が寄せられる。
高校生が生み出す地方活性の可能性
食品流通科の生徒たちは、卒業後に食品製造や流通、販売の分野で活躍することを目指して学んでいる。彼らの挑戦は、単なる学校の実習にとどまらず、将来的には地域経済の活性化にもつながるだろう。安全・安心な食がもたらす豊かさこそ、人々の暮らしの根幹であり、地域社会の未来を支える要素だ。
高校生たちの手によって生まれた「カルピー」は、単なる乳飲料ではない。その一杯には、ここでしか味わえない特別な価値が詰まっているだろう。もし、この「カルピー」を見かけたならば、ぜひ手に取ってほしい。
(注:文中の写真はすべて筆者撮影)
参考資料:福島県立磐城農業高等学校ホームページ(https://iwaki-ah.fcs.ed.jp/)
情報提供元:ローカリティ!
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