グリーンウォッシングを見抜け!本当にエコなブランドの選び方
環境問題への関心が高まる中で、「エコ」や「サステナブル」といった言葉を注目するブランドが急増しています。 特にファッション業界では、環境に配慮した素材や製造工程をうたう商品が並ぶようになりました。 店頭やウェブサイトで「リサイクル素材利用」「地球に優しい」といったキャッチコピーを目にすることも少なくありません。
しかし、すべてが実際に環境負荷の軽減につながっているとは限りません。 企業の中には、環境に優しいを意図的に演出するだけで、現実が伴っていないケースもあります。
グリーンウォッシングとは何か?
グリーンウォッシングとは、環境への配慮を考えながら、実際には持続可能性の低い製品やサービスをあったかも「エコ」であるかのように宣伝する行為のことです。
また、自然の風景を背景にした広告や緑色のパッケージを置くことで、製品自体の環境負荷を消費者に意識させて誤った手法にするのも、グリーンウォッシングの一例です。 見た目や言葉だけでエコを演出するこれらの手法は、環境保護への意識が高い消費者をミスリードし、真にサステナブルな取り組みを行っているブランドにとっても競争上の不利益となるため、問題視されています。
信頼できるエコブランドを見極めるための視点
では、私たちはどのようにして本当に環境に配慮しているブランドを見抜けばよいのでしょうか。そのためには、いくつかの視点を持つことが大切です。
まず、信頼できるブランドであれば、「ポリエステルリサイクル50%使用(ペットボトル由来)」や「インド産GOTS認証オーガニックコットン100%」のように、素材の種類や割合、産地までを丁寧に開示しています。また、製造工程における環境配慮の観点も重要な判断材料となります。 一般的なジーンズ1本を作るのに約7,000〜10,000リットルの水が必要とされていますが、水の再利用や天然染料の使用によって水資源の使用を80%以上削減しているブランドも存在します。
布の端切れを再利用するなどして廃棄物を極力抑えようとする「ゼロ・ウェイスト」的な取り組みや、工場のエネルギーを再生するエネルギーに十分可能性があるなど、サプライチェーン全体で環境負荷を軽減していく努力が見えるブランドこそ、本当にエコな企業だと言えるでしょう。
信頼性を高めるためには、第三者機関による認証があるかどうかも確認しておきたいポイントです。 同様に、GOTS(Global Organic Textile Standard)は、オーガニック繊維の使用割合だけでなく、製造段階における環境・社会的責任についても厳しい基準が設けられています。 100の認証は、有害な化学物質が使用されていないことを証明するもので、肌に触れる製品に安心感を与えてくれます。
さらに、動物由来の素材を一切使っていないことを示すPETAのヴィーガン認証も、エシカルな消費を安心する人々にとって重要な基準となっています。
買い物にも「問い」を持つことが、未来を変える
私たちが日々行う買い物の一つが、地球環境に与える影響を考えるきっかけとなります。国際エネルギー機関(IEA)によると、繊維業界全体の年間CO₂排出量は約12億トンに達しており、これは航空業界と海洋業界の運を合わせた排出量よりも多いと報告されています。
価格やデザインだけでなく、「この商品はどこで、どのように作られたのか」「この“エコ”表示は本当に正しいものなのか」といった問いかけを自分に投げかけながら買い物をする姿勢が重要になります。見た目の印象や広告の言葉に左右されるのではなく、商品に込められた背景や理念を読み続ける意識が、より良い未来につながっていく近道になると考えられます。
サステナブルファッションは、一時的な流行ではなく、持続可能な社会を築くための暮らしの選択肢です。 私たち消費者が本物のエコを見抜く目を養うことで、一歩に環境問題と向き合うブランドが評価され、主流は業界全体の変革が進んでいくはずです。
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