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建機点検のデジタル化で、建設現場の事故をゼロに。建設一家で育ち、業界の新たなインフラを開発<SORABITO株式会社 青木隆幸さん>【東京都中央区】

ローカリティ!

日本国内で最も労働災害が多い建設業界。この深刻な課題に挑むのが、SORABITO株式会社(以下、SORABITO)です。2014年に創業したSORABITOは、代々建設業を営む家系の長男として生まれ育った取締役会長・青木隆幸(あおき たかゆき)さんが、幼少期から見て感じていた「事故の多い建設現場」を変えたいという強い思いから生まれました。

建機点検をペーパーレス化するシステムをはじめ、業界全体の効率化と安全性向上を目指したSORABITOの取り組みは、単なるサービスを超え、建設業界を支える新たな「仕組み」として注目を集めています。命を守るシステムを通じて業界を変革する、その挑戦と未来へのビジョンを伺いました。

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父や祖母も労働災害に「建設現場の事故を無くしたい」

青木さんは、愛知県知多半島で家業として代々続く建設業界と深く結びついた環境で育ちました。父や祖父が手がけた土木工事やインフラ整備を間近に見て育ち、幼少期から働く機械へのあこがれを抱いていました。高校生の頃には、夏休みに家業でアルバイトを経験し、現場の厳しさとやりがいを肌で感じていました。

そういう環境のなかで「建設現場の事故の多さも実感した」と青木さんは振り返ります。父が油圧ショベルで崖から転倒する事故を経験したり、祖父や叔父も現場で事故に直面したりなど、「建設現場で事故を経験していない人はいないんだ」と思ったそうです。

これらの経験が、青木さんに「建設現場での事故をゼロにしたい」という強い思いを抱かせたのです。

 

「単なる資材の提供ではダメだ、仕組みが必要」。東日本大震災で気づき

2011年の東日本大震災が、青木さんにとって大きな転機となります。当時大学生だった青木さんは震災直後、復興支援活動に携わりました。

水道、電気など崩壊した生活インフラ、必要な機械が届かず作業が遅れる現場……こうした課題に直面するなかで、青木さんは「ただ資材を供給するだけでは解決にならない」と痛感します。

青木さんは「困っている人々を支えるためには、建設機械の流通を効率化する仕組みが、業界全体に必要だ」と確信しました。

この経験を基に、青木さんは2014年5月にSORABITOを設立。建設機械の流通を促すために建機レンタルの仕組み作りとシステム開発に、本格的に取り組み始めました。

 

建設現場の事故をゼロにするシステム。現場点検に着目

現在、SORABTOが取り組んでいるのが現場点検サービスのデジタル化のシステム開発です。

厚生労働省が発表した2023(令和5)年の労働災害発生状況によると、日本の全産業の中で建設業界は死亡事故が最も多い業界であり、年間200人以上が命を落としています。これは全労働災害死亡者数の約30%をしめる数字で、足場などからの墜落(ついらく)や転落がニュースなどで報道されています。

「命があった上で生活や仕事がある。人の命より優先順位が高いものはない」と青木さんは語ります。事故の原因のひとつとして考えられるのが、建機の点検の不備です。

本来、建機の点検は建設現場の安全性を確保するための重要な作業ですが、疎かにされがちなのです。「点検さえしていれば……」といったことも現場ではよくあるとのことですが、青木さんはそれを解決するには点検を紙ベースではなくデジタル化することが必要だということに気が付きました。

従来のペンと紙を使った点検は、点検表が破損したり、回収・回覧に手間取ったりなど効率的ではなく、外の現場で行うには不便でした。

SORABITOが開発した、ペーパーレス化システム「GENBA×点検」は、点検漏れや記録不備を大幅に減少させるだけではなく、点検結果を即座に安全管理者へ通知する仕組みを備えています。これにより、安全確認の迅速化と正確性が飛躍的に向上しました。青木さんは、このシステムを通じて「建設現場の事故ゼロ」という究極の目標を実現したいと考えています。

 

建設業界の未来を描くSORABITO

SORABITOは単なるIT企業ではなく、建設業界全体の変革を目指す存在です。

さらなる技術革新を通じて、より多くの企業に点検システムを普及させ、業界のインフラとなることを目指しています。「これからも現場での声を拾いながら、現場の安全性向上と効率化を実現したい」と青木さんは話します。建設業界の未来を形作る挑戦はこれからも続きます。

写真はすべてSORABITO提供

情報提供元:ローカリティ!

田口有香
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その魅力を共に愛する仲間を募れる住民参加型・双方向の新しいニュースメディアを目指しています。
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