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「防火防災診断書」で建物の防災力を可視化する。「消防設備点検は命に関わること」<株式会社WAVE1 吉村拓也さん>【東京都杉並区】

ローカリティ!

消防設備点検、消防設備工事をはじめとした事業に取り組む「株式会社WAVE1」。消防設備というニッチな業界の人材不足と防災力の可視化という課題に挑み、2つのサービスを展開。「災害で悲しむ人をなくす」を企業理念に掲げ、防火防災診断書で建物の安全性を明示する「防災力の可視化」に挑む株式会社WAVE1代表取締役吉村拓也にお話しを伺いました。

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「人材不足」の課題を痛感!「引く手あまたの消防設備士」

株式会社WAVE1は消防設備点検、消防設備工事などを行う会社として、2018年に創業しました。創業前、吉村さんは大阪で父が経営するビルメンテナンスを主体とする会社で、消防用設備などの点検などを経験し、消防設備士や二級建築士などの資格を取得しました。3年ほど勤めましたが、当時はその仕事のやりがいや重要性がなかなか理解できず、退職。別の業界で起業を志し、上京します。知らない土地で仕事を探しはじめると収入や業種など希望の条件に合う仕事が見つからず、自身のスキルを生かせる消防設備の仕事に戻っていました。複数の資格を取得していた吉村さんはこの業界では引く手あまたの状態で、次々に仕事が舞い込むと同時に、業界の人材不足という課題を痛感しました。

 

消防設備士のための副業紹介サイトを開発。未経験者には学びのサポート

「消防設備は次世代でも存在し続ける重要な仕事、人材不足を何とかしたい」、吉村さんは早急に課題解決に動き出しました。

消防設備業界に特化した副業紹介サイト「ビルメ」をスタート。「ビルメ」とは消防設備点検に関する資格を持つ人とスポット的に消防設備系の仕事を発注したい企業をマッチングするサービスです。また、未経験からスタートする人に対しては、育成プラン「ビルメスクール」というサービスもあり、座学・実践研修でスキルアップしてから仕事に参加することができます。副業と人材育成、二つの側面から人材不足解消を目指しています。

「ザブングル加藤さんは芸人である傍ら、現在消防設備士のお仕事もされています。」と吉村さん。ザブングル加藤さんは「消防設備士」の仕事の注目度の向上にも一役かってくれているそうです。

 

「消防設備点検は人の命を守ること」につながる

人材不足以外に、防災力の可視化という課題にも取り組んでいます。「消防設備点検を定期的に行っていて、建物が安全であることは人の命を守ることにつながることだ」と訴えます。それには吉村さんが火事直後の宿泊施設に立ち会った経験が大きく影響しています。一気に煙が建物に広がってしまった現場でした。

「幸い、建物は定期的に消防設備点検がされていて、全員無事でした。『点検が行われていなかったら?』『消防設備が壊れていたら?』と考えると恐ろしい。改めて『消防設備点検は命に関わる仕事なんだ』と感じました」

 

防災力は価値である。誰が見てもわかる防火防災診断書を作る

2023年6月にリリースした「防火管理AI診断」は、消防設備点検の報告書の結果をもとに建物の防火防災力をスコア化し診断書にするサービスです。専門用語が並べられ、わかりにくかった従来の点検結果の報告書を、瞬時に一般の方がみても分かる防火防災診断書にすることができます。

現在は不動産管理会社の方が不動産オーナーに点検結果を説明する際に利用してもらい、専門用語がわからないオーナーにも消防設備の重要性を理解してもらうことに役立ててもらっている。

「防災力がある建物か、そうではない建物なのかがすぐにわかることは必要なことだと思っています。建物にとって『防災力がある=価値がある』という認識を社会にも浸透させることが社会にとって必要なことだと確信しています」

 

防災力の可視化に挑む。「災害で悲しむ人をなくす」社会を目指して

吉村さんは今後のチャレンジとして「防災力の可視化」を掲げます。

現在、住宅などの不動産契約の時には、その住宅が本当に安全かどうかを示す消防設備点検の状態を提示する必要がありません。必ず明示しなければならないことの一つに消防設備点検の報告書を加えることも必要ではないかと吉村さんは考えています。

「設備点検を欠かさず行うことは、災害が起こったときに命を守るために必要な手立ての一つ。点検をしているかしていないかで結果は大きく変わるんです。防災力の可視化が建物の価値を決める重要な決め手になってほしい」

企業理念の「災害で悲しむ人をなくす」社会を実現するためにも必ず成し遂げると、吉村さんは意気込みます。自分たちのやっていることは必ず社会に価値があるものと確信し、これからも挑み続けます。

聞き手:丸山夏名美、執筆:田口有香

情報提供元:ローカリティ!

田口有香
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その魅力を共に愛する仲間を募れる住民参加型・双方向の新しいニュースメディアを目指しています。
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