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習い事を辞めたい子どもにどう向き合う?親子で納得できる答えの見つけ方

「辞めたい」の奥にある理由を探してみる

子どもから「もう習い事を辞めたい」と言われると、親は簡単には答えを出せません。「せっかく続けてきたのに」「ここで辞めたら諦め癖がつくのでは」と心配になる一方、嫌がる子どもを無理に通わせることにも迷いが生まれます。ただ、子どもの「辞めたい」は、必ずしも「面倒だから」という意味ではありません。ベネッセが保護者を対象に行った調査では、習い事を辞めた理由は「相性が合わなかった」が22%、「学業などほかのことに専念するため」が19%、「時間が合わなかった」が15%でした。気持ちの弱さだけではなく、先生や教室との相性、生活時間の変化など、本人だけでは解決しにくい事情も関係していると考えられます。

まず確認したいのは、「習い事そのものが嫌なのか」「今の環境が嫌なのか」という違いです。ピアノは好きでも先生が怖い、水泳は楽しくても学校が忙しくて疲れる、サッカーは続けたいもののチームの人間関係がつらいというケースもあります。この場合、辞めることだけが答えとは限りません。子どもは自分の状態をうまく説明できず、「嫌」「行きたくない」という短い言葉で表現することもあるでしょう。「何が一番つらい?」「いつごろから行きたくなくなった?」と少しずつ聞きながら、一緒に理由を整理していくことが、納得できる判断につながるといえます。

 

続けさせるべきか迷ったら「理由の変化」を見る

親が悩みやすいのは、一時的な挫折なのか、本当に辞めたほうがよい状態なのかを見分けにくいからでしょう。昨日まで楽しんでいたのに、難しい課題にぶつかって突然「辞めたい」と言ったのであれば、少し時間を置くことで気持ちが戻ることもあります。一方、数週間から数か月にわたって毎回強く嫌がる、習い事の前になると気分が沈む、以前まで楽しめていたことにも消極的になるといった変化が続くなら、「根気が足りない」で片づけず、負担そのものを見直す必要があると思われます。続ける経験には価値がありますが、苦痛に耐え続けることと粘り強さは同じではありません。

年齢によって親の関わり方も変わります。幼児であれば、その日の気分で「辞めたい」と言うこともあるため、本人の言葉だけでなく生活全体を見る必要があります。小学校高学年から中学生になるにつれて、自分なりの理由を説明できる場面も増えてくるでしょう。親が「続けなさい」「好きにしなさい」と結論だけを渡すのではなく、「あと1か月続けてから考えよう」「次の発表会までを一区切りにしよう」と期限を設ける方法もあります。一定期間を置いてもう一度話し合うことで、一時的な感情なのか、長く続いている気持ちなのかを見分けやすくなるのではないでしょうか。

 

子どもの気持ちだけでなく家庭の余裕も考える

習い事は子どもだけの問題ではありません。月謝、教材費、道具代、送迎、保護者の待ち時間まで含めると、家庭にとって少なくない負担になります。2024年にベネッセが全国の小学生と保護者3,096組を対象に行った調査では、有料の習い事をしている小学生は70%で、そのうち2つ以上習っている子どもは54.7%でした。1か月あたりの平均費用は1万6,676円で、2021年調査の1万4,471円から約2,200円上昇しています。子どもが「辞めたい」と言ったとき、これまで払った費用や送迎に使った時間が頭をよぎるのは自然なことだと考えられます。

ただし、「ここまでお金を使ったから」という理由だけで続ければ、過去にかけた費用が今後の判断まで縛ることになります。親の期待と子どもの現在の状態は、分けて考えたほうがよいでしょう。生活全体を見る視点も欠かせません。ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の調査では、11年間で1日あたりの学校外学習時間が、小学校4〜6年生で17分、中学生で19分、高校生で22分減少しています。子どもの学び方や放課後の過ごし方が変化するなか、習い事を増やせば成長につながるとは限りません。学校、宿題、睡眠、友達との時間まで並べて見直すことで、本人がどこに負担を感じているのかが見えやすくなるでしょう。

 

辞めるなら「失敗」ではなく一区切りにする

話し合った末に辞めることになっても、それまでの時間が無駄になるわけではありません。半年しか続かなかった水泳でも泳げるようになった経験は残りますし、ピアノを辞めても人前で発表した経験は消えません。「せっかく続けたのにもったいない」と責めるより、「何ができるようになった?」「楽しかったことはあった?」と一緒に振り返れば、子ども自身が経験を整理しやすくなります。退会するときも突然通わなくなるのではなく、教室の規約を確認し、先生へ挨拶するところまで経験することで、一つの区切りとして受け止めやすくなるといえます。

そして、辞めた直後から次の習い事を探す必要もありません。何も予定がない時間に本を読む、友達と遊ぶ、絵を描く、料理を手伝うといった日常から、新しい興味が生まれることもあります。習い事を続ける力と同じように、自分に合わない状況を見直し、次の選択を考える力も成長には必要でしょう。「辞めるか続けるか」という結論だけに目を向けると親子は対立しやすくなりますが、「なぜ辞めたいのか」「何を変えれば続けられるのか」「ここまでに何を得たのか」と順番に整理すれば、話し合いの方向も変わります。親が答えを先に決めず、子どもが自分の気持ちを理解し、自分なりの理由を持って次を選べるよう支えることが、これから何度も訪れる選択の場面で役立っていくと考えられます。

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学問・教育

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