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旅するシェフのレストラン。都市と瀬戸内の食材が出会う新しい食の拠点がオープン【香川県三豊市】

ローカリティ!

都市で活動する料理人が地域に滞在し、その土地の食材や生産者と向き合う「Second Restaurant nio」が、香川県三豊市仁尾町で始まります。第一弾は、2026年8月10日と11日の2夜限定。シェフの比嘉康洋(ひが・やすひろ)さんが、瀬戸内の旬を生かした特別なコースを提供します。初開催となる今回は、各日14席の予約がすでに埋まり、両日とも満席となっています。

会場は、地域内外の参加者がともに育てる複合拠点「かっちゃん邸」です。この場所で、旅する料理人、瀬戸内の食材、地域内外の参加者が交わることには、どのような意味があるのでしょうか。プロジェクトの仕組みと、三豊市で暮らす筆者の視点から、その可能性をひもときます。

全国の生産者と向き合ってきたシェフが、仁尾の旬を一皿に

Second Restaurant nioの第一弾は、8月10日と11日の両日午後7時から始まります。第一弾は、毎日営業する常設店の開業ではなく、旅する料理人を迎えて開く期間限定レストランです。

初回を担う比嘉康洋さんは、料理人、フードプロデューサー、食材探求家として活動しています。2002年に「CHAYA Macrobiotics」で料理人としての歩みを始め、2010年には「六本木農園」の総料理長を務めました。全国の生産者と関わる中で、2016年から旅先をレストランにする活動を始め、2018年には「Peace Kitchen TOKYO」を開業しています。

今回予定されているのは、瀬戸内の海と大地で育った旬の食材を生かした特別なコースです。仁尾周辺で出会える食材として、伊吹島のいりこ、鯛やタコ、イワシ、イカなどの魚介、ミカンやレモン、オリーブ、父母ヶ浜の天然塩、季節の野菜などが使われます。

実際にどの食材が使われるかは、当日の仕入れやコースの構成によって変わります。土地の食材を並べるだけではなく、全国の生産者と向き合ってきた比嘉さんが、仁尾で何を見つけ、どのような一皿に仕立てるのか。それ自体が、今回のレストランを訪れる楽しみになります。

一つの店にとどまらない。料理人が地域で挑戦できる選択肢をつくる

Second Restaurantは、都市で経験を積んだ料理人と地域の拠点を結ぶ「多拠点レストラン」のプロジェクトです。運営する株式会社インターローカルパートナーズは、料理人が地域に滞在し、生産者と話し、土地の食材や風土に触れながら料理を組み立てる仕組みをつくっています。

都市で自分の店を開くには、賃料や設備、人件費など、大きな負担が伴います。一方、このプロジェクトは地域にとっても、料理人の視点から土地の食材を捉え直し、食を目的に人が訪れる機会をつくることができます。

Second Restaurantでは、厨房や食器などを備えた地域の拠点と料理人をつなぎます。料理人は、新たな店を一から構えなくても、別の土地で自分の料理を試すことができます。地域にとっては、外から訪れた料理人の技術や感性を通じて、身近な食材の新しい表情を知る機会になります。

食材だけを都市へ運ぶのではなく、料理人の側が地域へ移動する。そこで生産者と出会い、その土地で料理をつくることによって、料理人の挑戦と地域の食の再発見を同じ食卓で生み出そうとしているのです。

客として訪れるだけではない。出資し、泊まり、運営に関わる人が場所を育てる

Second Restaurant nioが入る「かっちゃん邸」は、仁尾町の商店街の入口にある、長く使われていなかった空き家を改修した複合拠点です。飲食や物販のテナントに加え、参加者が滞在できるシェアハウスの機能を備える計画が進んでいます。

この場所をつくっているのが、株式会社身の丈商店街です。同社が進める身の丈商店街DAOでは、地域の事業者と全国の参加者が共同で出資し、場所を利用するだけでなく、テナント選びやイベント、資金の再投資などにも関わります。難しく聞こえるDAOという言葉ですが、その実態はシンプルで、出資した人が仁尾を訪れ、泊まり、場所のこれからを一緒に考える仕組みです。こうした地域との関わり方を「株主人口」と表現しています。

Second Restaurantと身の丈商店街DAOは、同じ事業ではありません。前者は料理人と地域を結ぶレストランプロジェクトで、後者は参加者とともに、かっちゃん邸という場所を育てるまちづくりの仕組みです。異なる二つの取り組みが同じ場所で重なることで、食事をする人、料理をつくる人、泊まる人、地域で暮らす人が出会う接点が生まれます。

三豊市で暮らす筆者も、この夏から仁尾町内に生活拠点を移す予定です。日常の中で足を運べる場所に、地域外の料理人と瀬戸内の食材が出会う場が生まれることを楽しみにしています。

第一弾は、わずか2夜のレストランです。料理人が入れ替わりながらこの町を訪れ、食事をした人が再び足を運ぶようになれば、Second Restaurantは料理を提供する企画から、地域の内と外が関係を重ねる拠点へと育っていきます。

旅するシェフの一皿から始まる出会いが、これから仁尾の暮らしに何を残していくのか。その変化を、三豊市で暮らす一人としても見ていきたいと思います。

写真撮影2026年7月:木場晏門

プロジェクト概要

名称:Second Restaurant nio  
会場:かっちゃん邸  
所在地:香川県三豊市仁尾町仁尾丁145-1  
初回開催:2026年8月10日(月)、11日(火)  
開始時刻:両日19時  
席数:各日14席   
初回シェフ:比嘉康洋さん  
プロジェクト運営:株式会社インターローカルパートナーズ  
公式サイト:
https://www.second-restaurant.jp/
公式Instagram:
https://www.instagram.com/2nd_restaurant_nio/

情報提供元:ローカリティ!

木場晏門
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カテゴリ
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