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柚子胡椒が1000円超え? 食べて気づいた、手間を惜しまないものづくりと“調味料にこだわる”面白さ【宮崎県宮崎市】

ローカリティ!

料理の脇役だと思っていた「調味料」に、これほど驚かされるとは思わなかった。

先日、お土産として「高級柚子胡椒KUROKI」をいただいた。

柚子胡椒といえば、鍋料理や焼き鳥などに少量添える薬味というイメージ。スーパーでも手軽に購入できるだけに、最初に「高級柚子胡椒」という名前を見た時は、「柚子胡椒にも高級品があるのか」と少し驚いた。

価格は80gで1,080円。普段使いの調味料と考えれば、決して安くはない。

しかし、実際に食べてみると、一番驚いたのは辛さではなく「香り」だった。

鼻から抜ける柚子の香りに驚いた

最初に合わせたのは、鶏の炭火焼だった。

口に入れると唐辛子の辛さがしっかりと感じられる。しかし、その後から柚子の爽やかな香りが鼻から抜けていく。

料理の味に負けない存在感がありながら、決して主役の邪魔をしない。むしろ、鶏肉や炭火の香ばしさを引き立ててくれる。

「柚子胡椒って、こんなに香りを楽しむ調味料だったのか」

それが最初の感想だった。

鶏の炭火焼との相性は特に良く、その後は焼き鳥や和風パスタにも添えてみた。料理は違っても、少量加えるだけで柚子の香りが広がり、いつもの味が少し違って感じられる。

1000円を超える柚子胡椒、その違いはどこに?

「高級柚子胡椒KUROKI」は、宮崎県木城町で自然栽培された柚子を使用している。

木城町では約60年前から柚子の栽培が盛んになったという。KUROKIの特徴は、その土地で育った柚子を使い、一般的な柚子胡椒とは異なる手間のかかる製法で仕上げていることだ。

販売元の代表、和田英次郎さんにお話を伺うと、柚の果汁を発酵させ柚酢を作り、柚子の皮、唐辛子、それぞれに塩を混ぜたものを低温で発酵・熟成させる。温度管理にも気を配り、熟成させた柚子と唐辛子を合わせた後、柚子酢で味を調整し、さらに熟成させていくという。

栽培から仕込み、熟成までを一貫して手作業で行い、着色料や保存料、化学調味料も使用していない。その分、手間も時間もかかる。

和田さんによれば、ここまで手をかけるメーカーは他にないという。

「手間がかかりすぎるのでやらないと思います。だから、この味わいは絶対にほかでは味わえないです」

80グラムで1080円という価格には、原料だけではなく、こうした手仕事と熟成にかける時間も含まれている。

「味噌や醤油の熟成と似ています。時間をかけることで、味が変わっていくんです」と和田さんは話す。

開封から20日、蓋を開けて感じた変化

この説明を知ってから、思い当たることがあった。

開封後、冷蔵庫で保存しながら食べ続け、20日ほど経った頃のことだ。

蓋を開けると、柚子の香りがふわっと立ち上った。

購入したばかりの食品は、時間が経てば鮮度が落ちていくもの――。そんなイメージを持っていた私にとって、時間の経過も含めて味わいの変化を楽しむという発想は新鮮だった。

瓶詰めされた後もゆっくりと熟成は続き、開封直後のフレッシュな香りから、時間の経過とともにコクやまろやかさが深まっていく。

「瓶の中でも熟成が続く」経過した時間まで味の一部にしているという商品の特徴を、実際に食べながら感じられたのも面白かった。

食のプロも注目する「調味料」

こうした特徴的な調味料は、食のプロからも注目されている。

2026年9月、日本テレビ系「DayDay.」では、食の専門誌「dancyu」の副編集長が選ぶ「困った時に助かる調味料」の一つとしてKUROKIが紹介された。

おすすめされた使い方も「鶏肉」。酒と柚子胡椒で下味をつけて焼くというシンプルな調理法だ。

偶然にも、私が最初に合わせて「これはおいしい」と感じたのも鶏の炭火焼だった。手の込んだ料理を作らなくても、一つの調味料を変えるだけで料理の印象が変わる。調味料は単なる「味付け」ではなく、料理を楽しむための選択肢の一つなのかもしれない。

「高いものを買う」ではなく「こだわって選ぶ」

もちろん、値段が高ければおいしいというわけではない。

毎日の料理に使うすべての調味料を高級品にする必要もないと思う。

それでも今回、一瓶の柚子胡椒をきっかけに、「調味料を選ぶ」ということ自体に興味を持った。

いつもの鶏肉に少し添えてみる。パスタに加えてみる。そして数週間後、また蓋を開けて香りの変化を楽しんでみる。

料理そのものを大きく変えなくても、調味料一つで食卓の楽しみ方は変えられる。

そして、その一瓶の向こうには、柚子を育て、皮をむき、温度を管理しながら発酵・熟成させ、味を確かめ続ける人がいる。効率だけを考えれば省けるかもしれない工程に、あえて時間と手間をかけている人がいることも知った。

お土産でもらった一瓶の柚子胡椒は、私にとって単なる「おいしい調味料」ではなかった。

高いものを選ぶのではなく、自分が好きな味や、その味をつくるために重ねられている手間、作り手のこだわりを知って選ぶ。

そんな“調味料にこだわる世界”への入り口を案内してもらったような気がしている。

※写真はすべて2026年9月筆者撮影

情報

barrelchicken BBQ「高級柚子胡椒KUROKI」商品ページ:
https://ec.barrelchickenbbq.com/items/45263920?srsltid=AU7gw4XrGpVRZHOKdAFWPXsXdcFgApoWYggS4N0p4NrBG8uNjktWi7bq

情報提供元:ローカリティ!

森下文望
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