食費が減らない原因は冷凍庫に?食品ロスを防ぐ保存の工夫
まとめ買いしたのに食費が減らない、その原因は冷凍庫にあるかもしれない
スーパーで特売の肉を見つけると、つい多めに買ってしまう。野菜も安いうちに買っておこうと、気づけば買い物かごがいっぱいに。値上げが続く今、少しでも食費を抑えたいと考えるのは自然なことです。ただ、まとめ買いをしたからといって、必ずしも節約になるとは限りません。数日後、使い切れなかった野菜が傷んでいたり、冷凍庫の奥からいつ買ったのか分からない肉が出てきたり。
せっかく安く買った食材も、捨ててしまえば家計にはマイナスです。
まとめ買いで得をするかどうかは、買い物を終えた後の保存方法にも左右されます。
農林水産省と環境省が2026年6月に公表した推計によると、2024年度の日本の食品ロス量は年間461万トン。このうち家庭から出た食品ロスは224万トンで、全体の約半分を占めています。食べ残しだけでなく、手をつけないまま傷んでしまった食品も含まれる数字です。
家庭から出る食品ロスは前年度の233万トンから減少したものの、まだ多くの食材が捨てられています。食品の値上げ対策としてまとめ買いをするなら、何を安く買うかと同じくらい、どう保存して食べ切るかを考えたいところ
。冷凍保存のちょっとした工夫が、食費の無駄を減らすきっかけになります。
肉や魚は買ったその日に冷凍、野菜は種類によってひと手間を
まとめ買いした食材は、とりあえず冷蔵庫に入れておき、使わなかった分を後日冷凍する。そんな保存方法を続けている人もいるのではないでしょうか。しかし、冷凍しても傷みかけた食品が新鮮な状態に戻るわけではありません。肉や魚は購入した時点で使う分と冷凍する分を決め、なるべく早く保存するのが基本です。特にひき肉や切り身の魚は傷みやすいため、当日使わない分は早めに冷凍したい食材です。
肉は1回分ずつ小分けにし、ラップで包んで冷凍用保存袋へ。
魚は表面の水分をキッチンペーパーで拭き取ってから包むと、余分な霜がつきにくくなります。
どちらも厚みを抑えて平らにしておくと、凍るまでの時間を短くでき、使うときも便利です。
野菜は、何でもそのまま冷凍すればよいわけではありません。きのこ類は石づきを取ってほぐし、保存袋に入れるだけでも冷凍できます。
小松菜やほうれん草は、軽くゆでて水気を絞り、食べやすい長さに切っておくと、おひたしや汁物に使いやすくなります。ブロッコリーも小房に分けて加熱しておけば、忙しい朝のお弁当作りに重宝するはず。
一方、レタスやきゅうりなど水分の多い野菜は、解凍すると食感が変わりやすく、生のサラダには不向きです。冷凍に向かない食材まで無理に保存せず、早めに食べるものと冷凍するものを分ける、その判断が、結果的に食品ロスを減らしてくれます。
冷凍庫に入れたまま忘れない、保存期間と収納の小さな工夫
冷凍保存で気をつけたいのは、食材を入れたことで安心してしまうことです。冷凍庫の中で保存袋が重なり、奥に入れた食品が見えなくなる。使おうと思ったときには、いつ冷凍したのか分からない。そんな経験があるなら、収納方法を少し変えてみるとよさそうです。
保存袋には食材名と冷凍した日付を書き、古いものから使えるように並べます。肉や魚は家庭で冷凍した場合、品質を保つ目安として2〜3週間程度で使い切ると管理しやすくなります。ただし、食品の状態や冷凍庫の温度によって保存できる期間は変わるため、日付だけで安全性を判断しないことも大切です。
農林水産省が案内する冷凍食品の適切な保存温度は、マイナス18℃以下。冷凍庫はある程度食品が入っているほうが温度を保ちやすく、目安として8〜9割程度の収納が勧められています。ただし、買ってきた食品を一度に大量に詰め込むと、庫内の温度が上がる原因にもなります。
家庭で食材を冷凍するときは、金属製のトレーに薄く広げるなど、できるだけ短時間で凍らせる工夫をするとよいでしょう。
解凍にも注意が必要で、肉や魚を室温で長時間放置するのは避け、冷蔵庫や電子レンジを利用します。
きのこや刻んだ野菜は、凍ったまま炒め物やスープに加えられるものも多く、調理の手間を減らせる点も魅力です。
節約上手なまとめ買いは、買う前から使い道が決まっている
まとめ買いで失敗しやすいのは、安いという理由だけで予定より多く買ってしまうことです。普段は鶏肉を500グラムしか使わない家庭が、特売だからと2キログラム購入しても、冷凍庫に入りきらなければ困ってしまいます。買い物に出かける前に冷蔵庫と冷凍庫を確認し、何が残っているかを把握しておくだけでも、余計な買い物は減らせます。
献立を細かく決める必要はなく、鶏肉なら半分を唐揚げ用に、残りを炒め物や煮物用に分けるなど、大まかな使い道が決まっていれば十分です。
下味をつけて冷凍する方法も便利ですが、味付けをしても保存期間が大幅に延びるわけではないため、早めに使い切ることを意識しましょう。
食費を抑えるうえで見落としたくないのが、購入価格と実際に食べた量の違いです。仮に1,000円分の食材を購入し、そのうち200円分を捨ててしまった場合、食べられた800円分に対して1,000円を支払った計算になります。実質的には25%高く買ったのと同じことです。
特売で数十円安く買えたとしても、使い切れなければ節約効果は薄れてしまいます。安い日に大量に買うより、少し高くても必要な分だけ買うほうが結果的に得になる場合も少なくありません。
毎日の買い物で、常に最安値を探し続けるのは疲れるものです。それよりも、買った食材を無理なく使い切れる仕組みを作るほうが、長く続けやすい節約になるかもしれません。週末にまとめ買いをするなら、その日のうちに肉や魚を小分けにし、野菜は使いやすい形に下処理しておく。
週に一度は冷凍庫の残り物を使って献立を考える日を設けるのもよい方法です。冷凍庫をいっぱいにすることが目的ではなく、次の買い物までに何を食べるかが分かっている状態を目指す。
食品の値上げが続く今、そんな当たり前の習慣が、家計の負担を少しずつ軽くしてくれるはずです。
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